【コラム】2024年新築住宅は増える?減る?住宅着工棟数に影響を与えそうなこと
2024年の日本の新築戸建て住宅市場については様々な増加をもたらす要因、減少をもたらす要因があります。
新築住宅の建築棟数に影響を与えそうな項目をまとめてみました。
増加要因
①省エネ住宅の推進・重要性: 政府の省エネ基準強化や補助金制度の影響で、省エネ性能の高い住宅が増加しています。特に断熱性能の高い住宅が注目されており、これに伴う新築需要が期待されています 。光熱費の削減はもちろんですが、健康な暮らしのためにも基本性能を高めた家に住替えることはとても大切になってきます。電気代やガス代は高くなる傾向にあるため燃費の悪い家にそのまま住み続けることは経済的にも健康にも悪影響になります。
新築に限らず、今お住いの住宅の性能を向上させる「性能向上リノベ」に対する理解も浸透してきています。
②経済的な背景: インフレが続く中で、住宅を早めに購入することのメリットが強調されています。現在の低金利を利用して住宅ローンを組むことが推奨されており、これが新築住宅の需要を押し上げる要因となっています。固定金利は徐々に上がり始め、短期金利もいつ上がるかという状況になりつつあります。マイナス金利政策の解除により、まだ変動金利の基になる短期プライムレートは上昇していませんが、今後の経済の状況によっては、金利上昇で住宅が買えなくなる時代の到来があるかもしれません。「買える金利の時でないと買えない」「金利上昇の不安はこれまでになく多くの人が感じるようになってきている」ことから考えると最後の買い時と考える人も多くなっているように感じます。
③市場の動向: ここ2年、特に注文住宅は土地の取得費用の高騰もあり、かなり苦戦してきました。しかし大手ハウスメーカーの受注状況は改善傾向にあり、2024年の新築住宅の着工数は前年比で回復する見通しです。予測では、2024年度の新築戸建て住宅の着工数は約83万戸とされています 。
④住宅購入支援策: 2024年から新たな支援事業として「子育てエコホーム支援事業」が始まり、長期優良住宅やZEH(ゼロエネルギーハウス)への補助金が用意されています。これにより、エコ住宅の新築需要が高まることが予想されます 。また「住宅ローン減税」や「住宅取得資金の贈与の特例」など住宅の取得を後押しするお得な制度もたくさんです。
総じて、政策的な支援や市場の動向や、2025年の建築基準法の改正の前の駆け込みでは住宅の取得を後押しするとみられています。
逆に減少の要因はどのようなものがあるのでしょうか?
①住宅ローン減税制度の改正: 2024年から省エネ基準に適合しない住宅は住宅ローン減税の対象外となります。この変更により、新築住宅の購入者は省エネ性能に適合する住宅を選ばざるを得なくなり、そのための建築コストが増加します。しかしこれは厳しすぎる基準ではないのでローコスト住宅以外ではほぼほぼ標準の仕様程度でクリアできる住宅会社も多いと考えられます。しかし省エネの計算費用等のコストアップは、これからローンを組んで家を建てる人には必須になります。
②省エネ基準の義務化: 2025年からすべての新築住宅に対して省エネ基準が義務付けられる予定です。これにより、建築費が増加し、特に省エネ基準を満たすための追加コストがかかるため、住宅価格が上昇します。例えば、省エネ基準に適合する建築物は120平米あたり約87万円高くなるとされています 。トータルの量は変わりませんが制度の境目で、基準改定前の駆け込みと、それの反動減が起きる可能性もあります。
③人口動態の影響: 日本全体の人口減少と少子高齢化が進行しており、これが新築住宅の需要に直接影響を与えています。これは避けられない問題ですが、いい方で考えれば土地の金額が落ち着いてきたり、建築費用が落ち着いてきたり、買う側からすれば買いやすくなる可能性もあります。しかし設計事務所や住宅会社にとっては大問題です。特に規模の大きくない企業では協業によりコストを抑えていい建築を作る仕組みづくりに早く取り組む必要があります。
これは当社の地域の設計事務所と建築会社の協業の仕組みづくりにもつながりますので、新しい取り組み、営業方法に興味がある方はお気軽にご相談ください。
④経済状況と建設業界の課題: 物価上昇や建材費の高騰、労働力不足などの建設業界の課題も新築戸建て住宅の供給に影響を与えています。これらの要因が新築住宅の価格を押し上げ、需要を減少させる一因となっています。
減少要因も多くあります。
2024年に家を建てるべきかそうでないかは誰にもわかりませんが、
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